石田さんの邸宅は'Frenchs Forest'にある。
私のアパートから北東部に車で15分くらい。
林に囲まれた閑静なところにある。
昨晩は、夕食にお招きくださった。
お言葉に甘えて、女房、子どもを連れて
親子3人で訪問させていただいた。
石田さんは豪州の永住者。駐在員ではない。
こちらでの生活のご労苦は想像に難くない。
しかし現在、親子3人で幸せにお暮らしになられている。
お子様は立派に成人なされ、一流IT企業にお勤めである。
石田さんはテレビ局のお仕事でこのたびダーウィンに行かれる予定だ。
それも、日本のテレビ局とオーストラリアの関係機関との連絡調整という
テレビ取材やロケの取りかかりは石田さんがいなくてはことが進まない。
近々、日本のテレビでダーウィンのことや炭坑のことが放送されたら、
石田さんのお仕事と思っていただいて間違いない。
さて、その石田さん。奥さんは「佐賀のがばいばあちゃん」の大ファンである。
それも、テレビドラマのほうが一番気に入っていらっしゃるとのことで、とても嬉しく思った。
昨晩、この話からはじまり、食事を終えるまで楽しい話題はつきなかった。
すっかりお世話になってしまって、気がついたら時計は午後9時をとっくに過ぎていた。
石田さんご一家の暖かいおもてなしに心から感謝しながら家路についた。
帰宅後、「佐賀のがばいばあちゃん2」を視聴したのは言うまでもない。
シドニー時間で午後11時から、夫婦で画面にかじりついた。
美しい。美しすぎるといってもいいくらいに美しい。
優しくそして、繊細な太陽光の使われ方。
息をのむような、美しい佐賀武雄の風景。
夕日の自然光だろうか、おさのばあちゃんや昭広の
背後から肩に頭部に入る柔らかな光の角度など超一流の演出とカメラ技術。
照明、美術の確かな仕事と相まって
じっくりと緻密に計算され尽くされている。
そして、音。
誠にやわらかく、すーっとからだに入ってくる音。
おさのばあちゃんの穏やかでやさしい言葉と昭広の声質のバランスは絶妙。
荒んだこころを静謐に誘う名作ドラマがまた一つ生まれた。
そう確信する。
実はこの感想、このところなにかとすれ違いの多かった女房と
久々に相一致した視聴直後の感想なのである。
石田さんご一家と佐賀のがばいばあちゃん2に感謝して。
2月20日(土)の夜は、幸せで心安まる夜なのであった。
静謐の森は、今夜も武雄に在るに違いない。
2010年2月21日(日)チャッツウッドの寓居にて記