小銭をねだれば高額の罰金。
ちょっと考えただけでは不可解なこの法案。
私はアリススプリングスに一週間いたので、よくわかる。
「現実にいくらの罰金になるかは判事の裁量」なのである。
NT政府が議会に提出した法案が成立すれば、
今後街頭で物乞いするだけで$6,500の罰金を科せられることもありえる。
2009年初め、アリス・スプリングスの町で、
物乞いした者に罰金$130を科することができるという条例ができた時にはちょっとした騒ぎに。
当時、NT準州自治政府のポール・ヘンダーソン主席大臣は、
「街頭で物乞いしなければならないほど貧乏で困窮した者が$130の罰金を払えるとは
とても信じられない」と評した。
困窮者やホームレスの人々から罰金を取るという考えそのものにヘンダーソン主席大臣は
不快を感じているかもしれないが、
10月13日には北部準州政府が軽犯罪の罰金を引き上げる改正案を議会に提出した。
いくつもある改正部分でひときわ目を惹くのは、北部準州全域で、
物乞いをした者には最高$6,500の罰金を科すという条項だ。
10月14日、ABCラジオに出演した影の司法長官、
ジョディーン・カーニー議員が困窮者を処罰するという提案について、
ヘンダーソン主席大臣その他の自治政府閣僚を批判し、
「政府はまるで右手と左手が好き勝手なことをしているようなものだ。
このような法律にショックを受け、がっかりする人が大勢いると思う」と語った。
しかし、12日には野党カントリー・リベラルズが改正案を支持し、
議会を通過してしまったため、カーニー議員も自党を弁護しなければならなくなり、
「物乞いする人に$6,500の罰金を科するという罰則に懸念をいだいたのは私たちだけでなく、
大勢の準州住民も同じだろう」と語っている。
その他の罰金として、
「庭をきれいにしなければ$2,600、音楽を大きな音で鳴らせば$2,600など。
デライア・ロウリー司法長官は、
「罰金はインフレに合わせて引き上げただけ。最高額は法廷のガイドラインというだけで、
現実にいくらの罰金になるかは判事の裁量」と反論している。
AAPより