私ども日本人は、とても質素な生活をしていたように思います。
無駄を省いた小さな生活はその象徴とも言えるかも知れません。
そんな世界観から豊かな知恵が生まれてきたのかもしれません。
いま、
私が接している3人の巨匠の家
増沢洵氏の「コアのあるH氏の住まい」
吉村順三氏の「日高邸」
清家清氏の「私の家」であります。
共通しているのは
1、ワンルームであるということ
2、ドアが極力少ないということ
3、質素な素材で構成されているということ
4、延べ床面積が50㎡から100㎡に収まっていること
5、家の外と内側が緩やかにつながっていること
6、極小でも庭があって、緑があるということ
7、アプローチやバックヤードには天然石が用いられていること
8、きれいな長方形のシンプルな平面構成の設計であるということ
9、単なる装飾はいっさいないということ
10、水まわりは一局集中しているということ
11、大きな開口部と小さな窓のメリハリがあるということ
12、照明設備は必要最小限であるということ
13、全体的に明るすぎない間接光を取り入れるということ
14、天井高の高低で立体的な広がり感をもつということ
と、読んでおります。
あと、ハッとさせられるような仕組みとして
1、大きな食卓があるということ
2、玄関がない作品もあるということ
3、寝るところはセパレートではなくごくごく狭いスペースということ
4、サニタリーの天井高は低く抑えられているということ
が、あげられます。
どれも、単身ではなく親子4人くらいの生活が営まれてきた作品です。
そして、
ここで2人くらいの子供さんたちを育てたという実績のある作品です。
1950年代から1970年代に建てられた「小さな家」に学ぶべきことは
多い。と思っているところです。
写真は
じいちゃんの庭先のバラです。
涼しい庭園となってきました。