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風の谷のナウシカ 照葉樹林文化論
今日は妻とウルル(エアーズロック)について話をした。
そう、オーストラリアのほぼ中央部に位置する聖地とされるところについてである。

日本人の観光客が多く、ホテル代やツアー代がとても高いという印象がある。
もっともその中にはアボロジニへの福祉サービスフィも含まれているのだが。

話が、脱線しそうなので、軌道修正。
とにかくウルルへの家族旅行を計画しているのだが、私にはなかなかイメージが湧かなかった。

カタジュタ国立公園は、風の谷。オルガ渓谷。
「風の谷のナウシカ」のモデルとなっているとも聞いている。

しかしながら、実は私は、宮崎駿さんの「風の谷のナウシカ」を視聴したことがない。
それを妻に話したら、びっくりして、すぐに見るように促された。
幸い、長男が映像を持ってきていたでそれをそのまま視聴。

なるほど、これはまぎれもなく宮崎駿の世界。
根底に「照葉樹林文化論」を感じる。

まず、照葉樹林は「温帯に成立する常緑広葉樹林」。
すこし整理しておきたい。


元来は中国南西部から日本列島にかけて広く分布。
概ねフォッサマグナ以西の西日本の山地帯以下。
関東地方南部の低地 - 低山帯。
北陸地方・東日本の低地。
東北地方の海岸部(特に日本海側)は、本来この種の森林に覆われていたと思われる。

照葉樹林を形成する樹木種のうちには落葉広葉樹もある。また、モミ・ツガ・イヌマキ・ナギなどの裸子植物も混入することが珍しくない。

特徴 :
針葉樹などと比べ比較的根が深いため水源涵養林として適性が高い。
森への降水が流域幹川に流れ出すスピードは、針葉樹林に比べ緩慢。
照葉樹林を後背林として持つ河水が濁ることも少ない。

社寺林:
照葉樹林は、伐採など人為的撹乱をすると落葉広葉樹に遷移してしまう場合もある。
また現在は人工林への置き換えによって、その大部分が失われてしまっている。
まとまった面積のものはほとんどない。

現在では社寺林として残っているものが大半である。
照葉樹林社叢の中でも香川県琴平の金刀比羅宮の社寺林は面積が広いことで知られている。

明治時代の神社合祀に対して博物学者の南方熊楠が反対運動を行った。
合祀により社叢を持つ神社の統廃合が進み、照葉樹林が減少することに危惧を覚えたためである。

竹害
西日本の管理の行き届かない林などでは、シイなどからなる照葉樹林が徐々に再生しつつある。
一方で、こうした再極相化遷移を元来外来種であるモウソウチクの異常繁茂が阻害している。
根の浅い竹林は、地すべりなどを誘発し、山間地荒廃の面からも深刻である。

構成
植物社会学における植生の区分ではヤブツバキクラスと呼ばれる。
構成樹種として重要なものはシイ、カシ類である。

他に、クスノキ科のタブノキやカゴノキ、ホルトノキ科のホルトノキ、
モチノキ科のモチノキやクロガネモチその他多様な樹木が出現している。

特に高木層の種数は落葉樹林よりも多い。
これらの樹木は樹冠が傘のように丸く盛り上がるのも特徴の一つである。

本州南部以南では、森林内にテイカカズラ、ビナンカズラなどの蔓植物も多い。
林冠が密であり、森林内は落葉樹林と比較して暗くなる。


さて、「照葉樹林文化論」について


照葉樹林文化論は、植物学者の中尾佐助らによって提唱された概念。
稲作の起源を雲南・チベットの照葉樹林地域と考えた。

この照葉樹林地帯を伝って稲作が日本列島の西半分を含む東アジア各地に伝播したと論ず。


ここまでにしておく。

風の谷のナウシカ 照葉樹林文化論_b0014152_18304863.jpg


写真は、2009年1月26日撮影フレーザー島にて
by yskkyhh3 | 2009-06-14 18:32
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